春。伊豆修善寺の旅③ [ひとりごと]
創業明治5年・登録有形文化財
『 新井旅館 』
明治5年創業から新井旅館は
数々の有名人に愛されていたそうです。
旅館に着いて最初に通された場所は
「青洲楼」(文化財)
この塔の1階、こちらで受付をしたのですが
その際に出されたお抹茶とお菓子。
お菓子の名前は 「幸四郎」?!
なんと
歌舞伎役者の初代中村吉衛門さんからのお付き合い!
このお菓子は現在の幸四郎さんからお許しをいただいたものだそうです
こちらのモダンな造りの青洲楼は
お城と同じ工法で作られ
地震にも強い構造になっているそうです
その他にも
天平風呂(文化財)を設計した安田靫彦
川端龍子・芥川龍之介・和泉鏡花・岡本綺堂・尾崎紅葉・・・
などなど まだまだ書ききれない数の有名人が~
こちらや~
こちらのお部屋で執筆&創作にいそしんだそうです
中でも 横山大観は3代目ご当主と親交が深く
館内には数多くの大観の書が飾られていました
また 大観のために「離れ」まで建てたそうです。
このような建物のほとんどが有形文化財指定。
桂川の水を引き、敷地の中に池や川を作ったり
公道の下を通るトンネルまであります
もちろんすべて現役。
たとえば 「建て替え」なんて事になったら
現在の建築法では違法になり
これらすべての物はなくなってしまうのでしょう・・・
この「渡りの橋(文化財)」もまた面白い工夫が
手前の欄干の高さは奥に行くほどに低くなり
勾配は手前の方が急に作ってあります
つまり
遠近法によって
視覚に錯覚を与え、より奥行きを感じる事が出来るわけです
橋の下には美しい鯉も優雅に泳いでいます
もちろん宿泊棟もすべて文化財!
私たちが泊った「雪の棟」はお茶室のような造りになっていて
そこに続く 廊下もまた
船底天井!に 遠州瓦!と 趣向のこったものでした
こちらから見えるお庭には
大きな欅。 樹齢700年ともいわれ
鎌倉時代からここに立ち
たくさんの人たちを見つめてきたそうです
建物全体の窓には
「大正ガラス」がはめ込まれています
ちょっとゆがみがあって 窓越しに見える風景に味が生まれます
が
すでにこのガラスを作っている所はなく
割れてしまったら 現代のツルっとしたガラスを入れるしかないそうです
よく見ると 確かに何枚かは・・・
残念ですが 仕方ありません
どの風景を切り取っても素晴らしいものです
観音堂(文化財)に続く苔むす道・・・
「創業○○年」と言うところは多いですが
創業当時に近い建物に実際宿泊できるところは少ないはず!
とっても貴重な経験でした
お庭散策中に見つけた
ミツマタの花
小さな雪玉ような蕾は
これから お花を咲かせます
・・・ 最終回に つづく ・・・
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